えっ!コラーゲンやヒアルロン酸は肌の奥ではなく角層までしか浸透しない!
美容に興味のある方。コラーゲンやヒアルロン酸は皮膚から吸収されません!
コラーゲンやヒアルロン酸は、美肌や老化防止に必要な物質です。そのため、コラーゲンやヒアルロン酸入りの化粧品はたくさん販売されています。
「小さい分子量にして皮膚吸収率を高めている。」
「特別な製法で効果が高い」
と宣伝文句を見かけることもしばしば。
では、本当に皮膚(肌)から吸収できるのでしょうか。
これは、できないという意見の方が有力です。
コラーゲン・ヒアルロン酸は肌に浸透しない
なぜなら、人間の身体は免疫機能により自分で作り上げたものとそれ以外のものを明確に区別します。
コラーゲンやヒアルロン酸は、自分の体内で作ったものは有用で美肌作りに大切な物質です。でも肌に塗っても浸透しません。
その理由は人間の細胞に細胞膜が存在し他の物質が入り込めないようになっているから。移植手術で拒否反応が出ることもご存知の通り。
皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の三層構造になっており、塗ったものが浸透するのは表皮までです。
怪我をしたときや皮膚病に薬を塗るのは表皮に浸透するからです。でも、体内に薬を効かせたい時に塗り薬を使いませんよね。
真皮や皮下組織まで届くには、ナノの世界で使う単位で500ダルトン以下にしなければいけません。そして、分子量を小さくしても、そう簡単に浸透しては大問題。真皮の奥までコラーゲンが入ってきては大変。もしも、その中に不純物が入っていたり、身体に害のあるものがあればいかがでしょう。社会的にも大きな影響を与えますから。
普通に化粧品として売ることはできません。医薬品としてきちんと臨床結果を公開して副作用が無いことを確認してからになります。
コラーゲンとは何だろう?
コラーゲンは、皮膚や骨・軟骨などに含まれており、細胞と細胞を結合する重要な役割を果たす物質。私たちの体を作るのは、骨や筋肉、そして大量のコラーゲン。加齢により体内で生成するコラーゲン量が減ると肌はみずみずしさを失いしわやしみができてきます。
摂取することで期待できる効果
- 美肌効果や皮膚のアンチエイジング
- 骨粗鬆症の予防や改善
- 変形性関節症の予防と改善
コラーゲンはゼラチン状の物質で美容効果の上で一番人気と言える程、様々な化粧品や食品に含まれています。レストランでもコラーゲンでお肌ぷるぷるなどとメニューのおすすめ項目に書かれている程。
食べても吸収されないという説が有力ですが、臨床研究でコラーゲンの経口摂取(口から飲食した)後に、血中のコラーゲン由来ペプチド濃度が上昇したとの結果もあるんですよ。
健康科学大学教授の著書では、1999年に磯子中央病院で行われた試験で、コラーゲンぺプチドを主成分とした健康食品を成人女性に2か月間投与したところ症状の改善が認められたとのこと。(サプリメント大辞典:蒲原聖可氏著)
まあ、よくある個人差やプラシーボ効果の可能性もあるんですけどね。特に、豚や牛のコラーゲンを肌に塗り、奥まで浸透して、自分本来のコラーゲンと混ざるっておかしいと思いませんか?
そして、人間の体は、細胞でできており、隙間を埋めて繋げている存在が細胞外マトリックス。細胞同士をつなげて接着や引っ張りやといった外圧に対抗するための存在が必要になります。細胞外マトリックスは、このような働きをする物質の総称。例えば骨なども細胞外マトリックスの一つです。
肌どころか骨にまで浸透してしまうと大事です。
コラーゲンは細胞外マトリックスの主要成分
美容と健康においてコラーゲンが重視されるのは、人間の体に大量に含まれており体内の潤滑油的な役割を果たしているから。
きれいでみずみずしい肌を裏方で支えているのが細胞外マトリックスの主成分となるコラーゲンやヒアルロン酸です。骨はコラーゲンにカルシウムが沈着した組織で、軟骨はコラーゲンにプロテオグリカンが加わったもの。全ての組織で必須な成分だと言えます。
表皮(角層)ではなく肌奥の真皮にあり
コラーゲンやヒアルロン酸は真皮組織にありますから化粧水や保湿クリームに含まれていても到達しません。
もし、簡単に体内に浸透してしまったら、海水浴やお風呂にも入れません。緑や青・灰色の入浴剤を入れたらあなたの体もその色に染まるはず。布のように生きている体が染まったら大変。
この世に存在する小さな物質がどんどんあなたの身体に侵入していくことになります。
コラーゲンやヒアルロン酸配合は角層まで
コラーゲン入り化粧品の広告を読むと、肌の奥まですーっとなじむ。しっかりと浸透と書いてあります。
でも、広告や化粧品の注意書きをしっかりと読んでみてください。
【肌の奥とは角層(角質)】のことです。と書いてあることでしょう。角層は皮膚の最も表面の組織のこと。
本当に上手く書いているなあと感心します。
また、化粧品の中にはいかに良いコラーゲンを使っているかだけを宣伝し、コラーゲンが浸透することや皮膚に塗った時の効果を書いていないこともあります。
その効果は読者・購入者がすでに知っているからということと嘘を書かないためにです。
肌にコラーゲンやヒアルロン酸を塗ると分子量が大きく蓋の役目を果たすことから、水の蒸発を防ぐ保湿効果はあります。化粧品会社の書いている肌に浸透は、角層に美容成分を届かせること。
それによって、しっとり感やもちもち感などの潤い効果があることは間違いありません。実際に自分の肌のどこまでコラーゲンが浸透したかなんて確かめませんからね。肌がみずみずしく美しくなれば、それで満足ですから。
ただ、きれいな肌を作るためにコラーゲンやヒアルロン酸にどのような意味があるのか知っておきましょう。
ちなみにコラーゲンを食べても体内に直接吸収されません。
メーカーによっては、今までのコラーゲンは、肌の奥に浸透しない。新発売のスーパーコラーゲンは、従来のより分子が細かくて肌に浸透するなんてのも。
えっ・・・今まで売っていたのは何だったのか・・・という声も上がっています・。